バリデーション療法はさまざまな立場の人々にメリットがある

【おすすめ記事】 具体的な実践方法
2020.04.05

そのメリットとは

認知症の人が前向きな気持ちになれる

普段あまり話さなかった人でもバリデーション療法を行ったことによって発言が増えたり、笑顔がみられるようになったという変化が報告されています。また、とある特別養護老人ホームでの調査では、認知症の人とケアする人の1対1ではなく複数人が集まって行うことでも効果があることがわかっています。
グループでのバリデーション療法を行った結果、ネガティブな感情が少なくなり、楽しみや関心といったポジティブな感情が増えたそうです。これは、バリデーション療法によって理想に近いコミュニケーションが実現できたことによるストレス・不安の軽減に加えて、他者と交流しようという前向きな気持ちを持つようになったという結果の現れです。
こういった中で自尊心をとり戻し、再び生きる希望を持つことができるようになると言われています。全ての人に同じような効果があるわけではなく、それぞれに合った対応をしていく必要がありますが、それでも認知症だけでなく多くの介護の場面で実践してみる価値があるでしょう。

認知症の人が前向きな気持ちになれる

ケアする側にとっても効果がある

バリデーション療法を行うことによって得られるメリットの中には、家族や介護職員などケアする側にとって良いこともあります。そしてこれは、今後の認知症ケアを考えるにあたって大事なポイントとなってくるはずです。
どうして理解してくれないのだろう、どうして理解できないのだろう、と認知症ケアの場面で悩みを抱えている介護者は少なくないと思いますが、バリデーション療法を行うことによってそれを改善することができます。認知症の人の言動には理由があることを理解できると、いつも感じていたイライラが軽減されたり、どのように寄り添っていけば良いのかを考えるヒントにもなります。
その他、友人や同僚への接し方が変わったり、仕事にやりがいを感じるようになった介護職員もいるようです。近年、業務上のストレスが多かったり感情のコントールができないために虐待を行ってしまう介護職員の悲しいニュースもありますが、コミュニケーションによって利用者のことがもっと理解できるようになれば、こういった問題も減少していくはずです。そのためにもバリデーション療法は大いに役立ちます。簡単に全てを理解できるものではありませんが、ケアされる側だけでなくする側にとってもメリットのあることなので、学ぶ時間をとる価値は十分にあります。

ケアする側にとっても効果がある

日常生活の中でも試してみよう

具体的な実践方法

バリデーション療法のテクニックは、豊かなコミュニケーションや信頼関係の構築にとても役立ちます。多くの項目がありますが、その1つひとつはすぐに実践できるものなので、まずはできそうなことから始めてみましょう。

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